« Larvatus prodeo » - 仮面をつけて、進む。

数週間をかけて、豊島由佳は、ルー・キャステルを追った。彼女の《肖像》シリーズの他の作品同様、被写体である人物を、そしてその人物の日常生活や仕事、そして人生にまで愛着をもって彼女が追い続けるのは、意識的にせよ無意識的にせよ、監督としての彼女が、なぜ他の誰でもなくこの人物をこそ撮りたいと感じたのかを(その対象が、企業役員であろうが、ダンサーだろうが、造形家であろうが)、何がその必要を彼女にもたらしたのかを、探し解明しようとしていることでもあるだろう。

豊島由佳の《肖像》シリーズは、作品それ自体として、そして同時に彼女のアーティストとしての歩みとしても、鑑賞できるだろう。彼女の感受性と、そして画角の感覚は、独特なアプローチ法を作品にもたらしている。この作

品では、彼女のカメラは控えめではない。なぜなら、カメラの前での存在法を知り尽くしている俳優、ルー・キャステルの前では、カメラの謙虚さは必要ないからだ。

ルー・キャステルに接近する旅。彼の言葉を聞き、舞台から楽屋までの彼を見つめ、沈黙の中の絵画アトリエから、俳優としての問いが語られるにふさわしいかの、列車空間まで。多くの場、多くの段階と、それだけ多くの仮面。

それらの仮面は、我々を驚かせるかのルー・キャステルを指し示そうと、こぼれ落ちようとしているかのようだ。

ボッティチェッリ『プリマヴェーラ(春)』からタイトルを引用しながら、『変容の技法』、そしてその伝達法について語るモノローグ的な作品。この新作ポートレートは絵画のように、ダンサーそして教師であるキャロル・ムジェオルを映し出す。

カメラはキャロル・ムジェオルの身体、そして人生までへとズームをあてながら、ひいてはダンス、身体、クリエーション、そして訓練といったことへの熟慮を映し出す。キャロル・ムジェオルという人物、身体のムーブメントというタッチをもって、《生きるように踊る、考えるように踊る》という、この寛大な教師の肖像画を描き上げている。

Portrait

造形作家/アーティストであるディディエ・セルプレが、日常生活、彼の《生と死におけるパートナー》であった灰色うさぎグリグリに捧げられた彼の創作アトリエのベールをはがし、語る。

2006年9月14日にグリグリが世を去ってからのディディエ・セルプレの心の旅、そして今は彼にとって《聖なる》空間となったこのアトリエの変容の軌跡を追う作品である。

« ATELIER "Gris    Gris" »

2012年/仏/ドキュメンタリー/23min/16:9/HDV /カラー/ステレオ/豊島由佳/出演 : Didier SERPLET

上映

2013年 La Hune 書店での映像紹介:« ATELIER “GRIS-GRIS” » DVD付限定本 « FACE A “GRIS-GRIS” » - Didier Seplet / EDITIONS RAFAEL DE SURTIS 社の出版キャンペーン

2012年 « ATELIER “GRIS-GRIS” » プレミア上映、アングレーム美術館

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造形作家ディディエ・セルプレは、グリグリという名の灰色ウサギを相棒に、多くの愛情深い時間を過ごしてきた。

フィルム « PINPIN LE LAPIN Dit "Gris-Gris" » は、ディディエ・セルプレのアーティストとしての仕事、そして

控えめでありながらも常に彼の横に佇むパートナーであるグリグリとの関係を、優しく映し出す。そして、ルポル

タージュを超えて、一つの問いを我々に投げかける。『アーティストと動物、果たして、どちらがどちらを育んでいるのだろう?』

« PINPIN LE LAPIN Dit "Gris   Gris" »

2006年/仏/ドキュメンタリー/23min/4:3/DV NTSC /カラー/ステレオ/豊島由佳

出演 : Didier SERPLET&Gris-Gris /協力 : Catherine MONSON

上映

2013年 再放送 France Culture 番組 « Gris-Gris le lapin et Didier Serplet »(うさぎのグリグリとディディエ・セルプレ)にて紹介

« Flore et Zéphyr I »

2010年/仏/ドキュメンタリー/22min/16:9(Anamophique)/DV PAL /カラー/ステレオ/豊島由佳/出演 : Carole MOUGEOLLE

« Lavratus prodeo »

2009年/仏/ドキュメンタリー/25min/16:9(Anamophique)/DV PAL /カラー/ステレオ/豊島由佳/出演 : Lou CASTEL

上映

2010年 « Lou Castel : Experiments in film and video » Anthology Film Archives / New York

企業とは、自転車のようなもの。進むか、転ぶか。- ジャン・ピエール・ケルジュアン

発展をライトモチーフに、世界的な規模を誇る企業の法律関連部署トップ責任者。保持しなければならない地位をもつ、大グループ。グループの成功劇に重要な役目をになう、彼自身。彼同様に、同じ責任を遂行するコラボレーターたち。付随して与えられる社会的そして人間的な人物像をこえて内観する、ただ一人の人間として、自分の人生。

不思議な、そして控えめな外科医の道具のように、カメラは彼の内面を投影する。

« ARZAO-hag-ARZAM ! »

2007年/仏/ドキュメンタリー/23min/16:9(Anamophique)/DV PAL /カラー/ステレオ/豊島由佳

出演 : Jean-Pierre KERJOUAN/協力 : Assieh MAJIDI

Project

一対一のコラボレーションによって描かれる、その人の物語

肖像

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